円形脱毛症とは

円形脱毛症イメージ

何らかのきっかけによって本来、細菌やウイルスなどの病原体を壊そうとする働き(免疫)が自分自身の身体に向いてしまい、機能が損なわれる病気を自己免疫疾患と呼びます。

円形脱毛症は毛を作る毛包周囲に炎症が起き、一部のリンパ球が毛包の組織を壊そうとする自己免疫反応が起きておりその影響で毛が抜けてしまう病気です。

脱毛症状は頭部に1個、円状にでることもあれば、頭部に多発したり、眉毛や睫毛、髭のみ、体毛のみに生じるなど、身体のどの部分にも起きる可能性があります。

さらに、症状がおもい場合には、頭全体、あるいは全身の全ての毛が抜け落ちる場合もあります。
医学的には、頭部に一つだけの円形の脱毛がある場合には単発性通常型(単発型)、多発する場合には多発性通常型(多発型)、頭全体が脱毛した場合には全頭型、全身に脱毛が及ぶ場合には汎発型、また稀ではありますが、頭髪の生え際が帯状に脱毛する場合を蛇行型といって区別しています。
全頭型、汎発型、蛇行型は通常型と比較して治りにくい傾向があります。

円形脱毛症の症状が出るのは一生に一度だけのこともあれば何度も再発する場合もあります。
兄弟姉妹、親子で発症することも珍しくありません。

つまり円形脱毛症を発症しやすい遺伝的な体質を持っている場合があります。
アトピーの素因、甲状腺の病気や膠原病との関連もいわれています。

円形脱毛症の治療について

ステロイド外用治療、内服療法、冷凍凝固療法、エキシマライトによる紫外線療法などを行います。
急速に広範囲に脱毛が進むような場合には入院しステロイドを短期間大量に投与する点滴静注ステロイドパルス療法が行われる場合もあります。
その場合は、近隣の病院へご紹介させていただきます。

最近、15歳以上、頭部全体の50%以上の毛髪が脱落し、6か月以上発毛が診られてない重症円形脱毛症の患者様に、バリシチニブ(オルミエント®)が2022年6月より保険適応となりました。